暮らしの中に「医療」を持ち込むということ

つれづれなるままに

こんにちは!オカピです。
ナースの仕事をしています。

今回は
「家で暮らす」ことを
望む本人、またその家族に
かかわらせていただき
思う事を書きました。

良かったらお気軽に
読んでみてください。

自宅で暮らすということ

さまざまな病気を持ちながらも
入院せず
施設に入所もせず
「自宅で最期まで暮らしたい」
という思いを持っている人は
多いと思います。

住み慣れた家が一番ですよね。

ある人は一人暮らし
ある人は息子家族と
同居
ある人は夫や妻と同居
ある人は娘さんと同居

・・・実に様々で
色々なご家庭があるように
色々なケースがあります。


今回は
親子三人暮らしで
お父さんとお母さんの
介護をされているケースについて
ご紹介します。


お父さんをAさんとします。

Aさんの娘さんは独身。
定年退職をして以来
両親2人の介護をしています。

Aさんは
15年前に脳出血をわずらい
右半身まひになりましたが
リハビリを頑張り
トイレまでは何とか歩いて
行けます。

Aさんの妻は
心臓が弱く自身のことは
何とかできるのですが
夫であるAさんの介護まで
とても出来る状態ではありません。

Aさんの娘さんは
定年退職をし時間には
余裕があり、自身の年金や
貯蓄などで、経済的にも
少しは余力がある状態です。


Aさんの「自宅で暮らしたい」気持ちと
娘さんの「両親を自宅で看ていきたい」と
いう気持ちで
介護保険申請し
要介護認定をもらい
10年前から在宅看護サービスを
利用されています。


最初は
現在の「トイレまで行ける」
活動力を維持させるためのリハビリと
ご飯を安全に飲み込むことができる
「嚥下リハビリ」と
健康状態の観察を行っていたのです。

週一回の在宅看護サービスの利用で
安定した生活を送られていました。


4年前から排尿がでなくなる
いわゆる「尿閉」という状態になり
膀胱留置カテーテルの挿入が
必要になってきました。

おしっこの管が入っている状態で
自宅で看ていけるかという
不安が娘さんには強くありました。

Aさんも
「自分は家で暮らしたいけど
妻や娘に今以上負担をかけるのは
申し訳ない」という気持ちでした。

このように
「自宅で暮らしたくても
自宅で暮らすことが
家族に迷惑をかけてしまう」という
本人の気持ちや

介護者である娘さんのように
「看ていきたいけど
きちんと膀胱留置カテーテルなど
医療の管理ができるかどうか不安。
母も看ないといけないのに
大丈夫だろうか・・・」
という介護者の気持ちは


当たり前のように立ちはだかります。



このような時に
我々のような「訪問看護」だったり
「ケアマネージャー」だったりの
職員に相談してほしいなと
思います。



我々は
最大限、可能な限り
「ベスト」ではないですが
「ベター」な方法に
近づけて考えていきます。



では実際どのように
関わっていったのか?



ケアマネージャーに連絡し
在宅看護で主治医と連携をとりながら
月一度は必ず受診して
膀胱留置カテーテルの交換を定期的に
行う事を決まりとし

また尿の出ている量や性状にも
留意してもらう。

発熱があったり腹部の痛みが
あったときは
すぐに緊急受診してもらうなど
娘さんにも約束事として
伝えていきました。



娘さんには
膀胱留置カテーテルの管理方法や
どんなことに留意していけばよいのか
尿性状の見方や
カテーテルの付属物の取り扱いなどを
指導していきました。


娘さんの不安を取り除きながら
また娘さんの介護負担の
軽減をはかるために
デイサービスの利用を増やし
入浴は自宅でなく
デイサービスで入ってもらう
ことにしました。

徐々に娘さんも
慣れていき
今では膀胱留置カテーテルの管理において
プロフェッショナル級の知識を
持たれています。

ただお1人で介護されている状況は
変わりません。

訪問時はご苦労がないかなど
娘さんのストレスなども
吐き出していただけるように
つとめています。


暮らしの中に「医療」を持ち込むということ

オカピは在宅看護に
携わり、さまざまな利用者さんと
関わらせてもらっていますが


「膀胱留置カテーテル」や
「中心静脈栄養法」や
「気管切開」や
「胃ろう造設」や
「経管栄養法」や
「人工肛門造設」や
「人工呼吸器装着」などの
いわゆる
医療的な管理が必要な状態にある人々。



そのような人々が
自宅で暮らされている事も
当たり前になってきてはいます。



ですが
当たり前になってきているとはいえ
当事者はもちろん
その方を支える介護者は
まず「大丈夫か?」と
不安になってきます。


私は看護師でもないのに
私は医療従事者でもないのに・・・。


そういう思いが渦巻きます。


我々看護師も
毎日毎日24時間
そのような方々に付きっ切りで
ケアしているわけではなく

主として携わっているのは
「本人」だったり
「家族」なんですよね。



我々がそこへ行くのは
毎日行ったとしても
携われるのはほんの1~2時間です。



いくら看護師が
その利用者さんに
清潔操作で完璧な手技をもって
ケアしていくことは大事ですが

普段は本人または家族が
管理するということを
念頭に置かないといけません。

家族または本人が
出来ないと意味がないのです。


ここら辺の見極めが
難しい所でもあり

また
大事な所でもあります。


また継続していかないと
意味がない。


我々医療従事者は
完璧な手技をもって
患者さんにケアを行う事を
ベストとしていますが。

在宅で暮らすということは
病院とは違い
メインは本人、または
家族が管理するという事で
家族が管理できるかどうかが
大事であり


我々医療従事者の
可能な限りの
サポート体制をもって
家での暮らしが
継続できるかどうか



そこらあたりが
在宅生活継続の課題でも
あるかと思います。








いかがでしたか?


今回は
オカピの仕事である
「在宅看護」のことについて
思う事を書きました。

ひとえに「家で暮らす」というのも
色々な問題があります。


みんないずれは年を取り
いつかは行く道で
考えなくてはならない課題でも
あるのかなと思いをはせています。


他に高齢化社会に向けて
「在宅で暮らしていくこと」について
の記事も書いています。

合わせてご興味ある方は
お読みくださいね。

関連記事はこちら

→いつかは行く道

→高齢者の困っていることは?

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