胃ろうを造設するかしないか、生きていく上での必要な選択を迫られるときにナースの立場で思うこと

つれづれなるままに

こんにちは!オカピです。
ナースの仕事をしている
シングルマザーです。

口から栄養を摂ることが難しい方は
色々な方法で栄養を摂取する選択肢があります。

代表的な例で
中心静脈栄養と胃ろう造設があります。

中心静脈栄養管理についての記事はこちら
→医療の現場に欠かせない!
イラストで語る中心静脈栄養管理のこと。

今回は胃ろう造設に関して
思う事を書いていきます。

良かったら読んでみてくださいね。

胃ろうの仕組みについて

胃ろう造設は
経口摂取が困難で、
かつ胃腸障害がない方に
造設できる
半永久的な医療措置であり
栄養を摂取できる
手段の一つです。

方法は内視鏡を使って
胃の部分に小さな口を
作ります。
これを胃ろうといいます。

胃ろう部分に
イラストのようなカテーテルを
取り付けます。

このカテーテルに
食事の注入食を
注入し
栄養を摂取します。

この胃ろうカテーテルを
管理しなければなりません。

胃ろうカテーテルは
内部ストッパーと
外部ストッパーがあり

内部ストッパーというのは
胃内にどのように設置されているか
ということで。


バルーン型はこのバルーン内に
蒸留水を注入することで
バルーンをつくり
胃ろうカテーテルを抜けなくする仕組みです。

この蒸留水の交換は1回/月~2週間だったりと
まちまちです。蒸留水が抜けてると自然に
カテーテルが抜けることもあるので
定期的に蒸留水の貯留のチェックが大事です。

バンパー型は駒形になって
カテーテルを埋め込んでいるため
引っ張らない限りは抜けません。

胃ろうカテーテルを挿入し続けることで
胃ろう部分の皮膚は常に
穴があいている状態になります。

つまりずっと傷ができている状態です。

皮膚の正常な生理反応で
その傷を治すために
皮膚が盛り上がる
肉芽というのが
カテーテルの周りにできます。

訂正;イラストでは肉毛となってますが。
正しくは肉芽です。


これは生理現象なので
正常なのですが。

その肉芽が発赤が強かったり
いつまでも出血していたりなど
異常があれば
医師に相談し
傷部分に対する治療を
していく場合もあります。

あと外部ストッパーについてです。

これは
注入する部分が
管が伸びているチューブ型か、
直接注入できるボタン型の2つあります。

チューブ型は注入後の胃内容の
排液が逆流状況が確認できる
接続が簡易など
メリットがありますが。

同時に引っ張りやすいという
デメリットもあります。

最近はボタン型が増えているようです。

胃ろうカテーテルが抜けてしまったら・・・?


胃ろうカテーテルが何らかのアクシデントで
抜けている時があります。


この現場を見ると
かなり焦ります。

まず抜けた状況を
医師に連絡し
緊急受診となり
再手術となります。



ここで医師の指示で
緊急応急処置を行うことが
あります。


胃ろうカテーテルが抜けてしまったら
胃ろうのろう孔部分が
ふさがるように径が小さく縮んで
しまうんですね。

バルーン型のカテーテルが
抜けた場合は
ろう孔がふさぐのを防ぐために
一時的に抜けたカテーテルを入れることが
緊急応急処置としてあります。

バルーン内の蒸留水が
抜けた場合は自然に抜けてしまうので
抜けたカテーテルを入れるのです。

バンパー型が抜けた場合は
ろう孔が損傷していることがあります。
なので抜けたバンパー型のカテーテルは
絶対に再挿入しないでくださいね。
というのが
バンパー型カテーテルが抜けた場合は
バンパーの部分が胃内に
脱落している可能性もあるのです。

ではバンパー型タイプの
カテーテルが抜けた場合は
どうするのか?

バルーンカテーテルがある場合は
同じ号数(サイズ)の
バルーンカテーテルの
バルーンを入れて対処することが
あります。


いずれも
ろう孔をふさがり防止の
緊急処置として
抜けたカテーテルを一時的に
入れるという荒技を
行うことがあります。

ただ抜去してから
時間が経過していると
ろう孔が縮んで小さく
なっていることも多いです。

そういう時は無理に
カテーテルを再挿入せずに
すぐに緊急受診をしてください。


胃ろうをつくること

何らかの原因で
口からご飯を食べることが
難しくなるのは様々な
問題があります。

噛むことが難しくなってきた。
あるいは
食べることはできても
喉や食道に腫瘍などができて
通過障害ができてしまった。

また食べていても
飲み込みが難しくて
肺に入ってしまう誤嚥という状態を
繰り返す

このような状況の時に
経口摂取を断念するという
選択が迫られてきます。

一つは胃ろうを造設する

一つは中心静脈栄養管理にする

一つは胃カテーテルを挿入する
(胃カテーテルについては
後日書いていきます。)

いずれにしても
口から食べることができない
というのは受け入れがたい
現実であることが大きいです。



確かに
胃ろうを造設することによって
誤嚥は防げるため
気管支炎や肺炎になるリスクは
低下します。

また注入食は
バランスのとれた栄養食なので
排便のコントロールもとれ
栄養状態も維持できます。

医療者側にとって
胃ろうを造設された方は
誤嚥リスクがない分
看護する上でも
治療する上でも
メリットは大きいです。

ただそれはあくまで
医療管理的な立場だけであり

実際はどうでしょうか。
胃ろうを造設された本人
またご家族。
様々な思いが錯綜していると
思います。

口から食べることをあきらめない

やはり口から摂取する
噛んでご飯を食べるということが
生きていく上で
大きく意義があることだと
思います。


なので
胃ろうを造設されていても
栄養維持のための
必要な医療措置であるということ。

胃ろうを造設されている方が
どこまでご飯を
口から食べれるか。

この姿勢でサポートすることは
とても必要な部分だと思います。

固形物が難しいなら
プリンのようなソフト食
大きさならティースプーン
1杯くらいなら
口の中でのどまで送り込むことは
できるのか
喉の動きは
とろみがついたものなら
誤嚥せずに飲み込みができるのか
などを細かく知っていくことが
大事だと思います。

ナースは家族に指導していくことも
大事です。

栄養維持は胃ろうより
注入食を投与していくけれど
1日1回はプリンやヨーグルトを
食べてもらう。
好きなゼリーを食べてもらう
など

渦中におられる本人や家族が
気づかないことは多いし
口からもう食べられないと
諦められる場合も多いです。

ナースが気づかせることも
必要なことだと思います。

胃ろうを造設しないという選択もある

胃ろうを造設しないという
選択もあります。

死ぬ最後まで
好きなものを食べたい
というご本人の意思を尊重される
ご家族も多くおられます。

最近は在宅で看取られる方が
どんどん増えてきています。

そういう中で
胃ろうを造設しないという
選択を選ぶ方も
増えているようです。

何が正しいとか
正しくないとか
何が間違っているとか
間違っていないとか

あるべき理想の姿なんて

正解はないと思います。

我々ナースは
どのような選択をされていても
患者さん
あるいは利用者さん
またその家族に
寄り添う形での
サポートしかできません。

ただその選択をされる過程で
沢山の迷いや葛藤があった
ご本人、またそのご家族に
敬意をもって
またフラットにサポート
していくのがいいのかな、
どうなんだろーと
自問いしながらの毎日です。






いかがでしたか?

ナースの仕事は忙しい。
一日、一日無事に終わったら
それでよし。

ナースの皆さん
今日もお疲れ様でした!!

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