心臓カテーテル検査のリスク~動脈を穿刺する~

心臓オタク

こんにちは!オカピです。
ナースの仕事をしている
シングルマザーです。

心臓の病態診断に欠かせない
心臓カテーテル検査。

狭心症など心臓の疾患の診断や治療など
役割は多岐にわたります。

マニアックな世界ですが
侵襲が少なく、手首の動脈穿刺が
増えていることから
日帰りで行われる病院も
増えており
敷居が低く
簡素になりつつある検査だと思います。

心臓カテーテル検査で
どんなことがわかるのでしょうか?
ご興味ある方はこちら


→心臓カテーテル検査でわかること



この検査には
大きく分けて二つのリスクがあります。


動脈を穿刺するリスク
造影剤を使用するリスク
です。


心臓カテーテル検査に限らず
血管造影検査を行ううえで
造影剤を使用すること
動脈を穿刺することは
欠かせません。

心臓カテーテルに限らず
造影剤を使用して行う検査は
CTや胃透視、MRI検査など
多岐にわたります。

以前は造影剤テストを行い
造影剤のアレルギーなど
認められなければ検査に
踏み切る流れでした。

現在は造影剤の安全性も高まり
テストすることなく
行っています。

造影剤について
ご興味ある方はこちら

→心臓カテーテル検査のリスク
~造影剤を使用する~




今回は動脈を穿刺するリスク、
またその管理について書いていきます。

専門用具もおおく
かなりマニアックな内容です。

一つ一つ解説していきます。

ご興味ある方は読んでみてくださいね。

動脈を穿刺する

心臓カテーテル検査にかかわらず
血管造影検査は動脈を穿刺して
そこからカテーテルを挿入し
血管を造影します。

主な動脈は
手首にある橈骨動脈
腕にある上腕動脈
太ももにある大腿動脈から
穿刺します。

以下のイラストは
ちなみに手書きです。
お見苦しい点は悪しからず・・。



検査だけだと現在は
手首にある橈骨動脈を穿刺しての
検査が主流になってきていると
思います。

まず
カテーテル検査は
動脈穿刺部位に局所麻酔を行った後
動脈を穿刺し
シースという物質を挿入留置します。

このシースというのは
刀の鞘(さや)みたいなものです。


カテーテルやその他の
デバイスを出血など
侵襲することなく
出入りすることが可能です。



このシースを介して
カテーテルや
治療に用いるカテーテルなど
さまざまなデバイスを通すことができ
出血のリスクなく
出し入れすることが可能です。

シースの大きさは
4Frから9Frまでさまざまあります。
Frというのはサイズの表記であり
1Frは約0.33ミリです。

通常カテーテル検査では
成人男子だと
5Frシースを使用することが
多く、5Frだと約1.7ミリサイズです。

約1・7ミリサイズ、動脈穿刺するため
傷をつくることになります。


動脈を穿刺して
このシースを挿入することで
カテーテル検査、または
治療が行われます。

静脈と動脈の違い

通常我々が血液検査を行ったり
点滴や注射を行うのは
静脈です。

静脈を注射針を用いて
穿刺し行います。

静脈の場合5分
長くて15分も固定していれば
止血します。


ですが
動脈を穿刺した場合は
穿刺した部位を強く圧迫し
長時間固定していないと
止血しません。

穿刺した部位の
手首や腕、または
足は止血している間
動かせません。


このことが
心臓カテーテル検査を行った後の
苦痛であり
リスクです。

心臓カテーテルに欠かせないヘパリンという薬剤

また心臓カテーテルは
検査、又治療中に
使用するカテーテル内や
シースに

血栓という
血の塊ができないようにするため、
塞栓症を防止するために
血液をさらさらにする
ヘパリンという薬剤を使用します。

ヘパリンの作用は
抗凝固剤です。

ただでさえ動脈を穿刺してる上
血が固まるのを防ぐ
ヘパリンという薬剤を使用していることから
検査終了後は
出血しやすい状況です。

オカピが勤務していた病院の
心臓カテーテル検査室では
当時ヘパリンを2000単位
治療だと6000単位使用し
緊急カテーテル検査だと
10000単位使用していました。

20年前の話ですので参考には
なりませんが。
出血しやすいリスクを負うという
状態にあるのは
今も変わらないと思います。

圧迫固定の為に必要な安静


当時は検査だけだと3~4時間の圧迫固定が必要
治療になると6時間の固定
緊急治療になると6時間以上の圧迫固定が
必要でした。

その間穿刺した動脈側の手首や腕、
太ももは動かせないのです。

手首や腕ですと
刺していない側は使用できますし
不自由ですが、食事やトイレもできます。
刺した側の手首や腕に
負荷をかけないように留意が必要です。

太ももの動脈を刺した場合は
圧迫固定時間中は
動かすことができないので
ほぼ寝たきりの状態にあります。

動かせないことで
圧迫した先の手指がしびれてきたり
腰が痛くなってきたり
起きられないことでトイレや食事が
不自由だったりなどの支障がでてきます。

安静中のナースの役割

心臓カテーテル検査後の
ナースの役割です。

穿刺した部位の出血の有無などの
観察や胸が苦しくないかなど
症状観察はもちろんです。

他に
ご飯をたべやすいように
おにぎりにするとか
飲み物を吸い口の付いた容器や
ストローを用いるなどの工夫。

寝たきりの状態を強いられるため
腰痛が発生するため
クッションを充てるなどの工夫や
床ずれができていないか
観察をしたり
身体の痛みを確認したり

トイレを手伝ったり
さまざまなサポートが
大事になってきます。

穿刺した部位の異常

動脈を穿刺することで
圧迫止血固定を行いますが。

患者さんが動かしたり
圧迫固定が何らかのアクシデントで外れたり
動かさなくてももともと
出血しやすい状態にあったりすると

血種という状態を引き起こします。

これは外に出血するのでなく
皮膚下で出血する内出血で
穿刺した部位の周囲が
腫れてきます。

この血種というのが出てくると
治癒するのに
時間を要します。

中には炎症を起こすと
腫れてくるうえ
熱をもつので
入院治療が長引くこともあります。


なので圧迫止血固定中に
穿刺部位周囲が腫れていないかなどを
観察することも大事です。

他にはむくみが出てきます。

圧迫固定をする間
その先の指先や足のつま先は
しびれてきますので
血行が悪くなり
むくんできます。

しびれを防止するために
手だと指先をグーパーして
動かしたり
足だと看護師が足の指を
動かしたりして
しびれの改善を促していきましょう。

いかがでしたか?

前回より
心臓カテーテル検査にかかわる
記事を書いています。

オカピは心臓カテーテルの世界が大好きです。
もう現場を離れて
15年経ちまして
心身共に脂肪がつき
スピーディーな動きは
困難になってきましたが(笑)。

今、心カテ室勤務になったら
オカピが
狭心症で運ばれるかと
思います。


とても自分の情熱を傾けられる
場所であると思います。


そんなオカピがはまった
心臓の魅力はこちら


→心臓オタクが語る心臓の魅力


今回は心臓カテーテル検査においてのリスク
動脈を穿刺するリスクについて
書きました。

心臓カテーテル検査室に
勤務されているナースは
きっとオカピと同じ
心臓オタクだと思います。


オカピが心臓オタクになった理由は
コチラに書いています。
ご興味ある方はどうぞ。
共感できる何かがあるかもしれません。


→心臓オタクになった理由




心臓カテーテル検査や
心臓の魅力について
気になる方、おられましたら
「お問い合わせはこちら」からどうぞ。

とても奥深く
ロマンな世界があふれている
心臓の魅力をお伝えできると
思います。

クリックするとメールフォームが開きます。
 
  ⇓     ⇓     ⇓
お問い合わせはこちら

※ご入力いただいた個人情報に関しましては
お問い合わせの回答を目的として使用します。
外部の第三者に提供することは一切ございません。
ご安心ください。


この記事をご覧になった方は
ポチっと応援クリック
よろしくお願いします。

にほんブログ村 資格ブログ 医療・福祉系資格へ

にほんブログ村


コメント

タイトルとURLをコピーしました