精神科病院勤務で思うこと

ナースとしての日々

こんにちは!オカピです。
ナース歴21年です。

色々な病院や施設で働いて21年ですが
そのうち精神科は合計4年3か月お世話になりました。

その時のエピソードを交えて
書いてみたいと思います。

よろしければお気軽に
読んでみてくださいね。

在院日数が長い患者様の日常

精神科に入院される患者様は
統合失調症や躁鬱病の患者様がおられます。

オカピが勤めていた病院は
慢性期にある統合失調症の患者様が多く
入院されていました。

オカピが勤めていた当時10年前ですが
入院歴が長い人は20年以上にもなっており
40歳で病気を発症され入院された方も
60歳と高齢になり、精神科疾患以外の
高血圧や糖尿病など内科疾患を発症される方も
多くいらっしゃいました。

現在は在院日数が長いのが問題となり
在宅へ社会復帰を行う動きが多くみられていますが
在宅に退院されたときのご家族や就労の問題など
社会的な受け皿の整備が課題となっているのが
日常だと思います。


統合失調症の患者様の特徴は

「真面目」
「几帳面」
「かなり繊細」
「すごく人のことを気にする」
「こうでなければならない」という思い込みが強い
などなど。

印象としてもあります。

そういう部分は人は誰でも持っていますよね。


その症状が両極端に強く出て
社会生活を送るのに支障をきたし
病院に入院加療されていることが多いのです。

オカピはいつも
人間みんな誰でも紙一重だよな・・。と
つくづく思っていました。

精神科病院の入院形態

一般的に入院の流れは病気を発症したら
手術や或いは点滴など薬物による加療が
必要になってきて、入院します。

精神科ももちろん加療が必要な為
入院になってくるのですが。

骨折や内臓疾患による入院と精神科の入院と違うのは
精神科の入院は「入院形態」というものがあります。


①任意入院
②医療保護入院
③措置入院


というのが代表的な入院形態です。

①任意入院
「精神の疾病を患ったから、
入院して加療しよう。」というもので
患者様自身が自覚して任意で入院するものです。

②医療保護入院
「入院される患者様自身が
入院することに同意しなくても、
ご家族などのうちいずれかの方が同意があり、
精神保健指定医1名の診察の結果、
判定されたときに行われる」ものです。

精神保健指定医というある資格を取得した医師が
診察にあたる、家族などの誰かが同意など
入院に対し様々な要件がついてきます。

③措置入院
「 警察官や検察官からの通報、
精神科病院の管理者からの届出
又は市民からの申請等があった人について、
都道府県知事(指定都市の市長)が必要と認め、
2人以上の精神保健指定医に診断させ、
入院させなければ、
自傷・他害の恐れがあると認められた精神障害者を、
都道府県知事(指定都市の市長)の権限により行う入院形態 」
(精神保健法より一部抜粋)

・・・

ややこしいんですが、つまり入院しないと
自傷や他害の恐れがあるので、
二人以上の医師に診断させたり
県知事などの権限を行使して
入院を行うなど医療保護入院よりもさらに
入院することに対し様々な要件が加わってくる
入院形態です。

意外と多い医療保護入院の患者様たち

オカピは冒頭に在院日数が長いのが特徴と書きましたが
オカピが勤務していた
精神科病院に入院されている方々の半数以上は
この「医療保護入院」による患者様でした。

なので長い人は20年以上も入院されていました。
もはや人生です。

30代から40代のお若い時に発症され
そこから入院され続けている方。

すでに親御さんも他界されている方も
多くいらっしゃいました。


50年前ほど昔は風評被害にあう方も多く
生まれ育った土地から
かなり離れた病院に入院されています。
そのまま退院されていない方も
多くいらっしゃいました。

すでにご両親など他界されており
面会の機会もない方もおられました。

外出の機会も減ってきますから
骨ももろくなり筋力の低下もすすみます。
長年の向精神薬内服で味覚障害をきたしたり
歩き方が歩幅が狭くなったり
転倒しやすいなど見守りも必要でした。

患者様はとても純粋な方がおおく
オカピはその心の透明さに
何度も救われることが多くありました。

精神科病棟のスタッフたち

病院側のスタッフはとても熱心な方々が
多くいらっしゃいました。

医師、看護師、精神保健福祉士、
栄養士、作業療法士などセラピスト、、
様々な方々が入院生活を良いもの
良い環境にするために取り組まれている姿に
オカピはいつも感動していました。

ここにも必死なナース達がいるな・・
とオカピは嬉しくなりました。

彼ら彼女らはいつも
社会復帰することが患者様にとって
どのように映るのかを常に考えていました。

ここの病院が人生の大半を過ごされている
患者様にとって何がベストなのか。

必ずしもそれは一般論には
当てはまらないことが多い。

循環器病棟で答えがある世界の中で
突っ走ってきたオカピにとって
精神科病棟での勤務は
「答えがない」ことばかりで
戸惑いも多くありましたが
反面自分の視野の狭さに
落ち込みも多くあり
別の視点をくれた貴重な経験だと
思っています。

共存するということ

精神科の患者様もみなが同じ世界で
共存しています。

精神科病院に入院されている方々の社会復帰を
促進する働きがあちこちであるのは
とても喜ばしいことだと思います。

反面、社会復帰に当たり
戸惑われるご家族や就労面での受け皿が
追い付いていないのも事実としてあります。

それは協会や団体組織をつくったりなども
解決策の一つかもしれませんが

1人の人間として
患者様がどう生きたいのかを考えた時に
どのような手助けができるかなという
個人レベルでの解決策もあるのかなと
思います。

それがお互い様々な人生を生きる人たちとの
共存だと思います。


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ありがとうございました!

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