口からご飯が食べられなくなった~看取りの場面~

ナースとしての日々

こんにちは!オカピです。
ナースの仕事をしているシングルマザーです。

「看取り」って言葉
ご存知ですか?

医療従事者や福祉関係のお仕事をされている方なら
ご存知かと思いますが。

「看取り」とは
延命治療などは行わず、
自然に亡くなられるまでの過程を見守ること

をいいます。

在宅療養されている方の中には
そのような方もおられます。

「看取り」時期にある方を
支援するのに
医師が訪問し診察されたり
看護師が訪問し体調確認を行ったり
口腔ケアや褥瘡予防を行ったり
介護福祉士やヘルパーさんが
訪問入浴や、保清ケアを行ったり
色々な職種が関わり
サポートに入っています。

オカピも何度か「看取り」時期に
ある方を担当させていただいています。

その中で
「口からご飯が食べられなくなる」ということで
思う事を日々の反省も込めて書きました。

よかったら読んでみてください。

口からご飯が食べられなくなった

普段摂っている食事を口から
摂ることが難しくなってきた。

口から食物を運んでも
噛めない
舌の動きが悪くなり
食物を食道に送ることができなくなり
誤って気管に食物が入り込んでしまい
肺炎を起こしてしまう。

いわゆる「誤嚥」を起こしてしまう。

そうなったときに
人間は栄養を確保する手段として
「胃ろう」をつくって栄養を補う、または
「ポート」という植込み型の仕組みをつくり
中心静脈栄養法で栄養を補う
等の方法があります。

しかし
そのどちらも選ばない、という選択
「延命措置」をされずに
自宅で過ごしたい
あるいは家族側が
自宅に連れて帰りたい
という気持ちが
「看取る」ということになるかと
思います。

この場合
往診などで点滴は投与されますが
「栄養を補う」という目的よりも
「脱水を予防する」という目的で投与されているのでしょう。

というのが
「栄養を補う」目的で
点滴を行った時に
「栄養成分の薬液」の浸透圧が高かったり
濃度が高かったりで
血管を痛めることにもつながり
静脈炎などを起こす原因にもなります。

血液内とそう変わらない
細胞外液や維持液を一定量
投与されているケースが
多いと思います。

栄養が不十分な状態で
繰り返し点滴を行っていても
徐々に血管も脆くなり
次第に血管確保も困難になってきます。

そうなったときに
徐々に人は、人の身体は
「死」に向かう準備を
しているのだと
垣間見ることで実感することがあります。

「口からご飯が食べられなくなった」ということは
人間の延命にとって非常に重要な
ターニングポイントでもあると思います。

そこで「延命措置」を行うのか
「延命措置」を行わないのか

どちらがどうということはなく
それぞれの本人、または家族が選ぶ
「生き方」になってくると思います。

「何が正しいか」ではなく「何を希望としているか」

「口からご飯が食べられなくなった」
看取りの覚悟で家に戻ってきた。
栄養は往診に毎日入られ輸液管理を
されています。

本人が認知症が強くあり
「喉が渇いた。何か飲ませてほしい」
という訴えが強くあります。

飲み込む機能が衰えた本人。
当然、水を飲めばすべて
気管に入ってしまい
誤嚥を起こし、肺炎の温床をつくる。

医療従事者はそれが分かるから
「飲ませることで起こるリスク」を
伝えていきます。

姿勢の取り方
舌の動かし方
口腔ケアの方法
をおさらいしていきます。


家族側も
「そうですね。また飲ませると
肺炎を起こしますからね。」


では
本人の「飲みたい」という気持ちは
どこにいくのでしょう。

また
「飲みたい」と言い続けているのに
肺炎起こすからだめよ、と
断り続ける家族のジレンマ。


双方辛いですよね。

医療従事者は「リスク」を回避するあまり
(この場合「リスク」とは誤嚥性肺炎を起こすこと)
ダメダメと言いがちです。
かくいう私もそうです。

何が正しいか?ではなく
何を希望としているのか?

結果「肺炎」を起こすかもしれない
水分を
「飲みたい」本人の気持ちや
「飲ませてあげたい」
という家族の気持ちを
どこまでなら
叶えることができるのか


寄り添いながら支援していくかかわりが
大事なのかなと
思っています。






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