平野啓一郎さんの文章力がすごい!「ある男」を読みました

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こんにちは!オカピです。
ナースの仕事をしているシングルマザーです。

「ある男」をご存知ですか?
最近映画でも話題になり、予告編で気になって
電子書籍で購入し、一気に読みました。


この作品で著者である平野啓一郎という
作家さんを知りました。

この作品は、、、
とにかくすごい!です。


かなりページ数もありますが
引き込まれるように一気に読みました。

簡単なあらすじを紹介しながら
この作品のすごさについて
勝手にレビューします。

※ネタバレも含みますので
内容を知りたくない方は
読まないでくださいね。

「ある男」のあらすじ

※ネタバレも含みますのでここから先は閲覧注意です!

愛したはずの夫は、まったくの別人であった。

というキャッチコピーから始まる作品。

里枝にはかつて二人の息子がいましたが、次男を病気で亡くします。
そのこともあり前夫と離婚し、長男とともに実家に
出戻りシングルマザーとして再生活をスタートします。

そんな時に「大祐」と出会います。
大祐は林業で木を切り倒すという
危険な仕事をしている作業員です。

里枝の実家は文房具店を営んでいます。
里枝が店番をしていると
定期的に色鉛筆やスケッチブックを購入する
大祐。

最初二人の間に会話などのやり取りはないのですが
徐々にひかれあう二人。

やがて二人は結婚します。

ささやかながらも幸せな家庭を築く二人
2人の間に可愛い娘も誕生し
親子4人で睦まじい生活を営んでいる最中に
大祐が仕事中、事故に遭い命を落とします。

悲しみの中里枝は
絶縁していた大祐の兄に大祐が他界したことを
連絡します。

遠くからやってきた兄が大祐の遺影を見た時に
放った言葉
「これは誰ですか?大祐じゃない。別人ですよ。」
呆然とする里枝。

じゃあ夫である「大祐」と名乗る人物は誰なのか?

里枝はかつて離婚した時に相談した弁護士の「城戸」に
「大祐」と名乗る「ある男」は誰なのか、どうして夫は
別人である「大祐」と名乗らなければならなかったのかについての
捜査を依頼します。

城戸は里枝に「大祐」を「X」と呼ぶことにしますと
伝え捜査が始まります。

城戸は「大祐」について捜査を続けているうちに
「戸籍を入れ替える」という作業をしている仲介者に
たどり着きます。

またその仲介者のもとに
本物の「大祐」と名乗る人物との出会い
またどうしてある男「X」は自分の本当の名前を捨て
「大祐」になったのか、、など

ある男の壮絶な過去や抱えている背景。

そのことが原因である男「X」は
過去を断ち切り、「大祐」として生きることになります。

そこで里枝との運命的な出会い。

全てを知った城戸は里枝に報告します。
そして里枝にこう告げます。

「Xさんは里枝さんと一緒に過ごした年月の間に初めて
幸福を知ったのだと思います」と。

里枝も城戸からの報告を受けて息子にすべてを伝えます。
息子は
「お父さんが僕にあんなに優しかったのか、分かった」
「お父さんは自分が父親にしてほしかったことを僕にしてたんだと思う」と

そして里枝自身も「ある男」と過ごした日々は幸せであったと確信します。


ざっとかいつまむとこのような話になります。

「ある男」の感想

まさに
「人間とは何か?」というアイデンティティを問われる作品だと
思います。

人間とは性別、年齢だけでなく
名前、生い立ち、社会的な枠組みで構成されており
その環境下で生きる、人生の選択をしているのでは?

またもし
この「ある男」が本物の名前のままで
背負った過去とともに里枝が出会ったとしたら
どうなんでしょうね。

そして「ある男」は里枝との生活が
幸せであればあるほどに
本物の名前のままで
背負った過去も含めて
愛されたかったのではないのかな、、
そう考えると切ない・・。

またきっと里枝は
それでも
「ある男」の過去を知ってしまったとしても
きっと好きであることには変わらないんじゃないかなとも
思えました。

この作品は約700ページ近くあるのですが
内容の濃いい濃いい作品で色々なことを
考えさせられました。

平野啓一郎さんの綴る文章の美しさ


この話はテーマもすごいのですが
著者である平野啓一郎さんの文章力が素晴らしいのです。

引き込まれるように一気に読んだのも
この先生の美しい表現があってこそです。
人間の感情の機微や
細やかな感情描写が
ストンと心に落ちてきて
ハマる、というかツボるというか、、。
あーすごくわかるこの感覚という
何と言い表せばいいの?この感情?というものを
見事に立体的に表してくれるんです!!

里枝と大祐となのるXが出会い、惹かれあい少しずつお互いの
距離を縮めていく場面は
すごく切なくて、美しくて、心の奥に静かに
温かいものが沁みこむような気持になりました。

また人物1人1人の描写もすごい。
1人1人の人物像の厚みがしっかりあり
人の本質とか
社会的側面からくる本性とか
そこから去来する世界観や人生観など
作品を通して
ああ確かに
自分でもこういう見方をしているな、とか
こういう考え方になってるかもな、とか
物語を読みすすめながら自分に問う場面も
多く出てきました。

久々に出会った素晴らしい作品だと思います。

映画はまだ観ていないんですがね。

キャストが妻夫木聡さん、安藤サクラさん、窪田正孝さんと
名優ばかりなので期待大なんでしょうね。

ですが小説も間違いなくおススメです!


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