心臓カテーテルの治療について

心臓オタク

こんにちは!オカピです。
ナースの仕事をしている
シングルマザーです。

オカピは心臓オタクでもあります。

もう20年以上前ですが
オカピは心臓カテーテル検査室で
勤務し、すっかり心臓の虜に
なってしまいました。

オカピが心臓オタクになった
理由を知りたい方はこちら

→心臓オタクになった理由

心臓の病態の検査に
欠かせない心臓カテーテル検査

心臓カテーテル検査では
心臓の病態や機能
疾患の診断・治療など
多岐にわたります。

どんなことがわかるのか?
ご興味ある方はこちらも
ご覧ください。


→心臓カテーテル検査でわかること


今回はその
心臓カテーテル検査で
行われる代表的な治療である
PCIについて書きます。

マニアックな世界ですが
専門用語など
一つ一つ解説していきます。

ご興味ある方は
お気軽に読んでみてください。

読まれた後は
貴方も心臓オタクになっているかも
しれませんね♪

PCI(経皮的冠動脈形成術)について

PCIとは
Percutaneous(経皮的=皮膚を通過するということ)
Coronary(冠動脈)
Intervention(治療)

を略しています。

しょっぱなからいきなり小難しさ満点ですね。

手術など
開胸するなど大掛かりでなく
経皮的に動脈を穿刺し
心臓の周りを囲む冠動脈を
治療するという意味です。

狭心症や
心筋梗塞などの
虚血性心疾患の治療をいいます。

狭心症や心筋梗塞の
治療は
主に開胸して行うバイパス手術と
PCI、あるいは
お薬などの内服療法となります。


PCIは
身体に大きな傷をつけることなく
動脈を穿刺して
カテーテルを挿入し
冠動脈の狭くなった部分を
治療します。


現在は
患者さんの負担軽減を配慮し
手首の橈骨動脈からの
アプローチが主流になって
いるようです。


身体に大きな傷はつけませんが、
動脈を穿刺するという
出血しやすいリスクが
伴います。

穿刺する動脈の場所や
動脈穿刺のリスク
についてご興味ある方は
こちら

→心臓カテーテル検査のリスク
~動脈を穿刺する~



血管の狭くなった部分を
広げて、血液のスムーズな
流れを取り戻すことが
目的です。

先端にバルーン(風船)を
取り付けたカテーテルを挿入し
バルーンを内側から膨らませて
血管を押し広げる方法 (バルーン療法)
が基本です。

「バルーン」と聞いたことある方も
多いのではないかと思います。

上記の図のように
先端に風船が付いたカテーテルを
動脈より血管内に推し進めながら
狭窄箇所にバルーンを膨らませて
狭くなった血管を広げる治療方法です。


代表的な治療方法は
このように
狭くなった血管を広げる方法で
治療します。



ただ狭くなっていた血管の中が
動脈硬化が進んでカチカチになって
石灰化(血管内が固まっている)していると
バルーンで膨らませるのが
困難な時があります。

石灰化が進んだ血管には例えるならトンネル工事

カチコチに固まった血管には
固くなった血管の中を削って広げないと
血流は途絶えたままです。

その治療法に
ロータブレーターという機械、
または
DCAという機械を使用した
治療があります。

ロータブレーターというのは
先端がダイヤモンドのチップでできた
高速回転の機械で、石灰化を削っていきます。

歯医者さんが歯の治療の際に
歯を削るのに使うドリルとよく似ていますので
大きな音がします。



DCAというのは
Directional(方向性)
Coronary (冠動脈)
Atherectomy(アテローム切除術)
の略称です。

機械の先端でカンナのように
血管の中を木くずを削るように
石灰化を削り
血管の内側を広げていきます。

ロータブレーターもDCAも
そのさまは
トンネルの突貫工事のようなものです。



下の図は
ロータブレーターの治療法について
説明しています。
オカピが書いた手作り感満載の図です(笑)。


こういう方法で
血管を広げ血流を元通りに
改善していく治療です。


ただ、このように広げた血管ですが
また動脈硬化の再発で
再び閉塞してしまうことが
多いです。

広げるだけだと
動脈硬化の原因となる
粥状部分が血管内に
付着して、再び
狭くなってしまいやすいです。


それらを予防するために
ステントという
金網の筒を
広げた血管に留置する
ステント療法の
治療が主流になってきています。

再閉塞予防にステントを留置~ステント療法~

ステント留置は
広げた血管の部位に
永久的に留置していきます。

いわばトンネル工事の
セメント補強のようなものです。

トンネルは掘っただけだと
再び土が崩れ
埋もれてしまいます。

それを防ぐために
セメントで補強して
初めてトンネルが
完成し開通します。



ステントは
金網上の筒でなっています。

材質は
ステンレス、コバルト
プラチナなどが主流です。

血管の狭窄部位に合わせて
直線的なものや
曲線的なしなやかなものなど
様々な種類があります。

どうやってステントを留置するのか

ステント留置はどのように
されるのでしょう。


下記の図を説明していきます。

(上段)
バルーンカテーテル上に
閉じた状態で
覆ったステントを
狭窄している箇所まで
推し進めていきます。

(中段)
そこで
バルーンをふくらませると
ステントも同じように
膨らみます。


(下段)
バルーンが
ふくらんだのを確かめてから
バルーンだけをすぼめて
引き抜きます。

そうすると
狭かった部分は
しっかり広げられた上に
内側からステントで
支えられることになります。


こういう仕組みで
ステントは留置され
血流が元に戻り
改善されています。


血流がきちんと改善しているのを
画像で確認し、治療は終了です。


治療が終了したら
動脈穿刺しているため
圧迫固定し
造影剤を使用しているため
体外へ排出するよう
点滴などで管理します。

詳しい内容はこちら

→心臓カテーテル検査のリスク
~動脈を穿刺する~


→心臓カテーテル検査のリスク
~造影剤を使用する~


いかがでしたか?


聞きなれない用語も多く
マニアックな世界だったと思いますが
このような方法で
狭心症や
心筋梗塞の
治療であるPCIは行われています。

PCIの場合は
治療時間は2時間以内で
終わることも多く
穿刺する動脈も
手首のところが主流であるので
比較的負担がすくないと
言われています。

ですが
造影剤を使用したり
動脈を穿刺するなどの
リスクがあります。

また
治療中は
血管をバルーンなどで広げたり
冠動脈の血流に影響を
及ぼしますので
緊急事態にも
つながりやすいです。

一刻を争う
狭心症や心筋梗塞の治療PCIですが
みごとステントが留置され
血流が改善されたときには
素晴らしい!!です。

何より患者さんの
ホッとした表情は
何物にも得難いものがあります。



そんな魅力が詰まっている
心臓カテーテルの世界です。


この記事を読まれている方が
狭心症や心筋梗塞の治療法など
心臓カテーテルに
興味をもっていただくと
嬉しいです。



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